藤〈マメ科〉
☆花言葉――恋に酔う
初夏の空は、少しだけ白を含んだエメラルド。
そこに藤色がくっきり目立つ。
かんざしのように棚からたれさがる藤の房。
そよ風が無邪気にたわむれるので、藤の花は恥ずかしげにちらちらゆれる。
その愛らしさは、私たちヤマトナデシコに似ているわ。
ひかえめで華やかで。
そんな人、日本にはいないって?昔はいたのよ。
藤壼というその姫君は、ふっくりと匂いたつように美しく、気高くも情熱的でした。
皇后となり義理の息子と恋をし、悩む。
その少年は光源氏。『源氏物語』のお話。
◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
おとなしそうなのに、情熱的なあなた。
おそらく激しい恋をするでしょう。
後悔しない自信があるなら、飛びこんで。
岩田裕子