Hiroko Iwata のすべての投稿

10月9日の花

すすき〈イネ科〉

☆花言葉――勢力
見渡すかぎりの秋の野に、すすきの銀の穂が風にさやさやゆれている。日が落ち、そのオレンジ色も消えかけ、あたりには、少しずつ闇がおり始め……
その荒涼たる景色は、どこかぞおっとするほど淋しく、だけども胸がしめつけられるほどなつかしく、日本の秋そのものだという気がする。
色とりどりの愛らしい花ばかりでなく、地味な銀色のすすきの穂を美しいと感じた日本人の美意識の高さに、あらためて驚いてしまうのです。
お月見の晩は、すすきとお団子を。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
努力がむくわれないこともあったかもしれません。でもそれでやめては、あなたの長所も台無し。あきらめずつき進めば、きっと幸せに。

岩田裕子

10月8日の花

はしばみ〈カバノキ科〉

☆花言葉――仲なおり
ケルト民族にとっては、リンゴとともにもっとも神聖な木。ケルトの愛の女神イーンガスは、赤い斑点のある白鳥を連れ、はしばみの杖を持っているといいます。
雷神トールにささげられた木。はしばみの枝で泉をかきまわすと、雨が降るという。
また、はしばみの杖は探偵みたいな力があって、かくれた財宝、殺人犯やどろぼうを見つけ出すとか。警察犬みたいな植物なの。
妖精ボブ・ロビンは、はしばみの小枝に住んでいる。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
ユーモアがあって、あなたのまわりは笑いの渦。それって最高の特技よ。つらいことも笑顔で忘れるあなたを、見つめてる人が、そこに。

岩田裕子

10月7日の花

ラベンダー〈シソ科〉

☆花言葉――沈黙
青と赤をかきまぜ、ほんの少し妖精の粉をふりかけた。そんなふうに、かわいらしい紫色のラベンダー。
一面のラベンダー畑を見たことがあります。どこまでも続く、薄紫の海のうねりは、人魚が住んでいそうなほど静かで幻想的な景色でした。
さわやかな香りは、すっと肺までとけこんでくる。心をしずめる効果があります。眠れない夜、ラベンダー・オイルを2~3滴、お皿におくと、ふわっとした香りになぐさめられ、深く安眠できるのです。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
口数少なく、静かな人。でも本質的には明るいので楽しい生涯です。堅実に愛を育てていくほう。告白されても簡単にはなびきません。

岩田裕子

10月6日の花

つゆくさ〈ツユクサ科〉

☆花言葉――なつかしい関係
道端にこの花をみつけると、ほおっと心がやすらぐ気がします。
茎の長さは30センチほど。そこに3枚の、空のような青い花びらをひらくのです。1枚は小さく、2枚は大きくて、子ぞうダンボの耳みたいに空へ飛びたちそうな感じ。
その表情が、いつも露をおびていそうなので、露草。朝早く、この花をみると、ほんとうに涙のような丸い露をふくんでいる。
あまりに可憐で、いつまでも気になる花。その形からか、別名「ボウシ花」。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
趣味がいっぱい。そのどれかにいつも夢中。あなたは情熱的なんです。愛にも熱狂的ね。見つけた恋にまっしぐらに飛びこむパワーがある。

岩田裕子

10月5日の花

メロン〈ウリ科〉

☆花言葉――飽食
夕張メロンは、ほのかな甘み。そして、マスクメロンのさわやかさといったら!
ある貴族が宮廷のパーティーで、たっぷりと水分を含んだ、おいしいメロンをいただいた。
さっそく自分の庭師ラーセン君を呼んで、宮廷の庭師に種をわけてもらうように、というのです。それを聞いてラーセン君、鼻高だか。
「そのメロンは私が作って、宮廷に届けたものでございます」
「え、うちの?」と貴族はびっくり。
人の家でいただくものはおいしく感じられるのよね。アンデルセン童話です。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
赤いほっぺの健康的なあなた。みんなのマスコット的存在ね。ちょっと赤ちゃんぽいとこも。恋をするのは、もう少し大人になってから。

岩田裕子

10月4日の花

クローバー(白)〈マメ科〉

☆花言葉――約束
クローバーは、ヨーロッパの原産。それがなぜ日本に広まったかというと……。信じられないようなお話です。
江戸時代、オランダから大名に献上されたガラス製品―ランプやグラスをわらないよう、箱のすき間に枯れ草がつめられてた。
それがクローバーだったのです。「ツメクサ」という日本名は、ここから。枯草が根づき、日本中で見られるようになったのは、明治時代なのです。
4つ葉のクローバーは珍らしいので、幸運のシンボルとされています。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
ときめきだけを胸に抱いて、あなたは愛の放浪者。遠くばかり探していませんか。大切な人は、意外に身近であなたを見つめているのです。

岩田裕子

10月3日の花

アーモンド〈バラ科〉

☆花言葉――希望
細身で色白の美青年サンティアゴ・ナサールは不思議な夢を見た。「銀紙の飛行機にただひとり乗って、アーモンドの木の間をすいすい飛ぶ夢」。
彼の家の前には、大きなアーモンドの木があり、雪をかぶったように白く輝く、美しい花を咲かせているのです。そしてサンティアゴは殺される。
ノーベル賞作家ガルシア・マルケス『予告された殺人の記録』より。
アーモンドの実は桃に似ているけれど、かたくすっぱくてたべられません。まん中の核が、カリッとおいしいアーモンド。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
好奇心が旺盛で研究熱心。会話はあまりうまくないけど、人柄がよいのでみんなに好かれてる。ときにはハメをはずして騒ぐのも、楽しいよ。

岩田裕子

10月2日の花

菊(黄)〈キク科〉

☆花言葉――わずかな愛
明治生まれのエッセイスト内田百間の作品に、『菊の雨』というのがあります。
ある日、観菊会に出かけた主人公。白菊、黄菊、大輪、小輪のみごとな花の列。しみじみ眺めて帰宅すると、雨が降ってきました。
降りそそぐ雨の中に、今見たばかりの菊の列が、列の終わるところから逆に、列の始まりの方へ向かって、雨の間を縫って、ぐるぐる回り出したという。
不思議な菊の幻想世界。この花には、もうひとつの名がある。「亡霊の花」。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
明るくて世話好き。一見積極的なのに、じつはシャイな人。自分から恋を告白する勇気はないのね。でもその気になったら、必ず恋は実ります。あなたにはそんな幸運がある。

岩田裕子

10月1日の花

ききょう〈キキョウ科〉

☆花言葉――気品
「桔梗」といえば、あの紫紺の花びらです。江戸時代の俳諧に、こんなのがある。
きりきりしゃんとしてさく桔梗哉。
そんな感じの花です。ひとことでいえば、小粋。江戸の女性でいえば、「小股の切れあがった」ってタイプ。つんととがった5枚の花びらは、初秋の夜の星のよう。
若芽は水にひたし、油いためにするとおいしい。根は中耳炎などに効く薬草です。秋の七草のひとつ。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
あなたのやさしさに、ほっとしてる人がどんなに多いことか。その中から未来の恋人が生まれる。今、必要なのは、人を見る目をつけること。

岩田裕子

9月30日の花

つた〈ブドウ科〉

☆花言葉――勤勉に
洋館にからまるつたの美しさ。まさか日本原産だとは思いませんでした。ヨーロッパに伝わったのは19世紀で、イギリスの園芸家が持ち帰ったのです。
つたは秋、美しく紅葉し、その後、葉を落としてしまう。1年じゅう、緑の葉を茂らせている「きつた」とは対照的に。
O・ヘンリーの短編『最後の一葉」は、つたの葉1枚に命をたくす病気の少女のお話です。「最後のつたが散ったら、私も死ぬわ」と少女はいいます。嵐の夜、その1枚の葉を守るために、命を賭けるおじいさんがいた。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
いつもきちんと、礼儀正しい。ただ、愛する人と縁のうすい悲劇も。性格はよいのだから、頭を使って接近して。

岩田裕子