5月10日 栗

栗〈ブナ科〉

☆花言葉――豪奢
妖精のテーブルかけは季節によってとりかえられるのです。
たとえば、5月は、栗の花。
妖精の召使いがそれをこしらえるとき、こんなふうにするのだそうよ。
何十人という男性が栗の木に登って枝をゆさぶると、花が雪のように舞いおりてくる。
それから、女の召使いたちが軽くそれを掃きよせているうちに、すっかりテーブルかけのようになるんですって。
うそだと思ったら、ジェームズ・バリ作『ピーター・パン』にそう書いてあるから、読んでみて。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
多才で行動力がある人。一流好みで、豪華な生活を経験できます。
淋しがりやでもある。
誠実に人と接すれば、友達に囲まれて暮らせるわ。

岩田裕子

5月9日 ライラック(白)

ライラック(白)〈モクセイ科〉

☆花言葉――無邪気
小さな青紫の花が、きつねのしっぽみたいに群がり咲いてるライラック。
葉っぱは無邪気なハート形です。
白いライラックもあって、ロシアの作家トルストイの『復活』に登場することから「ロシアのライラック」と呼ばれてる。

花びらはたいてい4枚。
たまに5枚のを見つけると「ラッキー・ライラック」と呼ぶのだとか。
その花びらをお茶にして飲みほすと、恋人が心がわりしないとの伝説があります。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
無邪気なあなたは人気もの。
でも心の底では、運命的な出会いを待っているのですね。
見つかったら、無邪気にぶつかってみましょう。必ず成功します。

岩田裕子

5月8日 つつじ

つつじ〈ツツジ科〉

☆花言葉――節制
小山のうえにひとりいて赤いつつじの蜜を吸う(金子みすず『つつじ』)
つつじの花の蜜は甘いのですって。
とくに甘いのは、モチツツジという種類。
だけども、羊がこの花を食べると、毒に倒れるともいわれます。
レンゲツツジには、毒があるのだとか。

黄金週間、熱海の山の上にある美術館を訪れたら、一面の赤いつつじに色どられ、まるで山火事のようでした。
トルコブルーに澄んだ空に、なんてよく似合う……。
華やかなつつじの花。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
律儀な性格。
みんなに信頼されていることでしょう。
でもがまんしすぎて、ときどき爆発することも。
もう少しわがままになってみては。

岩田裕子

5月7日 チューリップ(白)

チューリップ(白)〈ユリ科〉

☆花言葉――失恋
花びらのつややかさ。
ふりそそぐ春の光をピシャピシャはねかえし、いかにも楽しそうです。
人間の女の子だったら、飛びはねているかもしれません。

そしてあのコップみたいな花の形。
金の光をいっぱいためて、たぷたぷゆらしている。
宮沢賢治は、美しく白いチューリップをたとえて、「何か不思議な合図を空に送っているようだ」と書いています。
花の盃の中から、ぎらぎら光ってすきとおる蒸気がわきあがり、空にゆらゆら昇っていくのだとも。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
流れ星がまたたくような、きれいで短い恋をくりかえす。
そんな気配がします。
恋人を悲しませないで。
でもあなたは自分に正直なのですね。

岩田裕子

5月6日 すずらん

すずらん〈ユリ科〉

☆花言葉――幸せがもどってくる
この日、すずらんの花束をプレゼントされると、幸せが訪れるという伝説があります。
大切な人に贈りたい。
春の女神オスタラがこの花の守護神で、結婚式では花嫁に捧げる花。

「谷間の姫百合」「君影草」なんてかわいらしい別名を持っている。
フランスでは「聖母の涙」。ドイツだと「天国への階段」。
鈴形の花が、階段状に咲くからですって。
すずらんの香水を、片想いの相手にふりかけると、愛されるようになるのだそうよ。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
内気な性格にうんざりしてるのではないかしら。
でも本質的には大胆な人です。
落ちこんだときこそ、積極的にふるまうようにすると、幸せがもどってきます。

岩田裕子

5月5日 矢車菊

矢車菊〈キク科〉

☆花言葉――幸福感
紫がかった上品な青。
「あらゆる青い花のなかで、もっとも完全なブルー」と言われる。
いちばん上等のサファイアが、この矢車菊の青です。

ナポレオンがプロシアに攻め入ったとき。
ベルリンを逃れたルイーゼ皇后は、子どもたちと共に小麦畑へ身を隠したのです。
皇后は花冠を作って、王子たちを慰めた。
その花が、矢車菊。
皇后の次男にあたるウイルヘルムが、大人になって、皇帝となったおり、この花を皇室の紋章に決めたという。
小麦畑に咲くので、英名「小麦の花」。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
情熱的でやさしい人。
そのため、ときには裏切られてしまうことも。
いやな気持ちがしたときは、相手をつき放すくらいでいいのです。

岩田裕子

5月4日 山桜

山桜〈バラ科〉

☆花言葉――美麗
「桜の樹の下には死体が埋まっている」と書いたのは、梶井基次郎。
飲めや歌えのお花見の狂宴は、桜に化かされてしまった日本人の、春の夜の夢でもあるのでしょうか。
谷崎潤一郎は名作『細雪』の中で、「魚なら鯛、花なら桜」と断言している。
日本の国花です。
神話によれば、山の神と野の神との間に生まれた姫、木花開耶姫は、父のいいつけで、雲を踏み、霞たなびく富士の山頂に天降った。
そして種をパラリパラリとまき散らしたのです。
やがて咲き乱れたのが、桜……だとか。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
ロマンチストで、大変な情熱家。
勇気とバイタリティーでは誰にも負けません。
落ち着きを忘れずに。

岩田裕子

5月3日 アネモネ

アネモネ〈キンポウゲ科〉

☆花言葉――無邪気
「ミス5月」は、緑の絹のドレスをきて、髪の毛にアネモネをさしている。
こんなふうに描いたのは、アンデルセンです。
『駅馬車できた12人』という童話の中で、12か月を擬人化したのでした。

ギリシア神話によると、アネモネというニンフが西風の神ゼフュロスに愛された。
花の女神フローラがやきもちをやいたので、ゼフュロスはしかたなく、ニンフを花に変えたといわれる。
別名「風の花」。野生のアネモネが風の多い季節に花ひらくからだとか。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
いかにも育ちのよいお嬢様タイプ。
優雅さのなかに華やかさと気品をたたえています。
少し頑固なところもあるけど、根は無邪気なあなた。
恋人はしっかり者タイプがお似合いよ。

岩田裕子

5月2日 エニシダ

エニシダ〈マメ科〉

☆花言葉――清楚
初夏のころのフランスやイタリアの草原は、エニシダの金色にすみずみまで埋めつくされ、風がふくたび、波のようにゆれるのだとか。
金色の海原。いったいどんな景色でしょうか。
周囲の空気まで金に染めてしまいそうなほど明るく、太陽のしずくのように力強い金色。
花の形は、マメ科の植物らしく、蝶の形をしています。まるで、モンキチョウの天国のよう。
日本では「金雀花」と書く。
この花を草にむらがる金の雀に見たてたのです。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
人にいばるのがきらい。
清楚なお嬢さまタイプです。
平和な時代のリーダーとなる人。
恐れずつき進もう。
さまざまな協力者が現れます。

岩田裕子

5月1日 アイリス

アイリス〈アヤメ科〉

☆花言葉――雄弁
アイリスは虹の女神イリスにちなんでつけられた名前。
イリスは神がみの使者で、西風の神と結婚し、恋の神エロスを生んだとされている。
この花は、虹のようにさまざまの美しい色に咲くので、アイリスと名づけられました。

ヨーロッパでは有名な薬用植物。
18世紀、サド侯爵が獄中で目をわずらったとき、当時、パリで一流といわれた眼科医がアイリスの根を飲ませた。
ところが、この薬はちっとも効かなかったらしく、サドは「やぶ医者め!」と怒ったという。

◎花うらない(この日がお誕生日の方へ)
明るくほがらか、そのうえ話し上手ですから、誰にも慕われる存在です。
あなたの恋人も、きっと同じタイプですよ。
いつまでも陽気でね。

岩田裕子